ほんとはかたづけたい

片付けが苦手な20代女。片付けられるようになる、のか?

片付けられない祖母、そして私

今週のお題「私のおじいちゃん、おばあちゃん」

 

私の祖母も、片付けが苦手である。

はやくに祖父が亡くなった後から、ゆるやかに彼女の家は、

ものものが溜め込まれるようになっていった。

まだまだ頭はしっかりしていて、認知症とも思えないうちから、少しずつ、少しずつ。

 

祖父が死に、祖母がひとりで暮らすようになったのは、

思い返せば私が小学1、2年生のころ。

私が小学校高学年になるころには、

年賀状に

「私も部屋を片付けるのを一年の目標にするからがんばろう」

「今年はおばあちゃんちに遊びにいくから、お片付けしていてね」

なんて、片付けの苦手な者同士の交流を交わしていたのである。

 

名誉のために言っておくと、当時の祖母の家は、

物がおおいけれど乱雑に散らばるということはなく、

また水回りも手入れされていたし、床の上だって、

きちんと掃かれて綺麗だったのだ。清潔であった。

ただ、元来しっかりしていた祖母は、お正月やお盆が近づくと、

片付いていないから、片付いていないから、と困ったように言い、

祖母の家に集まるのではなく、どこか別のところで、

たとえば外食をするなどして会えないか、と言っていたのである。

なので、片付いていない、の質だってまったく違うけれども私は、

祖母と私は同じ、片付けらないという悩みをもった人だと、連帯感のようなものを感じ、

祖母に親しみを持っていた。

 

今、ようやく90になった祖母は、

すっかり認知症がすすみ、その家は本当に片付いていない家になった。

週に一度、私の家に泊まりに来る祖母はそのたび

「家片付けないとね、遊びに来たいって言ってたもんね」

と繰り返す。

今になって、片付けようね、なんて言われることが

片付けの苦手な身からすれば、随分なプレッシャーだということがわかるが、

きっと、祖母は素直に、孫の親しみを喜んでくれていたのだろう。